【ピアノ曲紹介】ドビュッシー作曲「ピアノのために」について

フランスを代表する作曲家の一人に、クロード・ドビュッシー(1862-1918)。

ドビュッシーは、ピアノを愛する人たち好んで演奏している作品をたくさん生み出しました。

フランスの作曲家ドビュッシー
フランスの作曲家ドビュッシー

ドビュッシーの、ピアノ曲での代表作と言ってもいっぱいありますが、有名なところをあげると

  • 月の光
  • 亜麻色の髪の乙女
  • 2つのアラベスク

このあたりでしょうか。
でもね、他にも本当はすごく素敵な作品がいっぱいあるの。
というわけで、今日は、ドビュッシーの「ピアノのために」という組曲について、ご紹介しますね。

ドビュッシー作曲「ピアノのために」という組曲について

「ピアノのために」という、何だか嬉しいタイトルの、三つの小品からなるこの組曲。
作曲は1894~1901年。

初演は、翌1902年の1月、リカルド・ビニェス氏の演奏。

この「ピアノのために」は、"月の光"で有名な「ベルガマスク組曲」に続く代表作として、知られた曲だと思います。

ただし実際にはこの「ベルガマスク組曲」と「ピアノのために」の間には、小曲「舞曲」「ロマンティックなワルツ」「マズルカ」「ノクターン」などの作品も生み出されているんですよ。

ドビュッシーの「ピアノのために」は、古典組曲風なタイトルがつけられた三つの小品から成っています。

  • プレリュード
  • サラバンド
  • トッカータ

小品の類に入るかもしれませんが(その割にはページ数/小節数も結構ありますが)、さらりと聴かせたいテクニックも要求されるので、難易度は低くはないでしょう。

そこが痛くもあり難ですね。でもね、難がない曲より、この曲に当たる意欲が沸くというもの。
この曲の面白さをさりげなく盛り上げている点でもありますね。

和声の響きが一種独特で、ドビュッシーならではですが、東洋的な...
どこか、寺院のある国の伝統的な音楽が持つ響き...
それは日本の古典音楽にも見えるような...
そんな響きが私を虜にしました。
(実際、学生時代の私がドビュッシー好きへと走ったきっかけは、この曲でした。)

しかし、当時の音楽に限らず、美術でも同様。
東洋、とりわけ日本の文化が欧州にもたらした影響は計り知れないものでした。

そんな中でも、東洋人である私たちが「共感を覚える」以上のもの。
糸口はそこかもしれません。

でも、単にそれだけならば、ありがちかも?
ただ通り過ぎる過程の一つに過ぎないかもしれませんね。
そこで通り過ぎずに、足止めさせてしまうのが、ドビュッシーの技術/特徴なのでしょう。

私は作曲ができないので、こういった和声の技法を目の当たりにすると、感慨ひとしお。
感服する以上に身動きが取れなくなります。

たとえばバロックから古典、
鍵盤楽器の進化に伴った音楽の発展、
ある程度の進化・完成を見せてからのロマン派。

そして、それを打破すべくがごとき生まれた現代音楽。
続くポピュラーなど。

ここまで来てしまうと、音楽は(音楽に限りませんが)歴史は繰り返す。

古樂が改めて重く捉えられるようになり、
またポピュラーでも、一昔前のスタイルが新鮮だとカバーがたくさん出る。

そうやって、めぐっていくのね。

現代作曲家は自分の音楽を認めてもらうために、突拍子もないことをしなければならないかのような風潮もあった(と思う)。
今はそうは思いませんよ。

結局、ある聴き手が「いい」と感じてくれれば、それでいいこと。
その人にとって良い!と思える音楽は、何時だって良いのだ。

ドビュッシーを含め、ロマン派・後期ロマン派のあたりの作品は、「今」に大きく影響を与えていることは、否定できないでしょう。
(※ ドビュッシーは「印象派の作曲家」とカテゴリー分けされていますが、ドビュッシーの初期作品は、まだ「どっぷり印象派」ではない、と思っています。)

特に、フランス音楽を代表するドビュッシーやラヴェルの作品、その和声は、クラシック以外の音楽に用いた場合、ジャズ的な響きを出す。

そういう和声・感性を生み出した人たちがいた。
彼らが私達を魅了しているのは、間違いないことですね。

いきなり、かなり脱線しましたが、さぁ、「ピアノのために」ですよ。

第一曲「プレリュード」

これは、始めに「十分に生き生きと、リズミックに!」という指示があります。
4分の3拍子で、16分音符でのもぞもぞとした動きが続きます。
でも、これは伴奏/ハーモニーなので、せわしなくは聴こえないように...

主にメロディは左手にあります。

時折、アクセント的なものが右手に移り、彩り鮮やかにグリッサンドが何度か登場。

そんな華やかな印象を残されたまま、とっても不思議なコーダに向かいます。

もちろん、それは第二曲へ続くから...

次に第二曲があるからこその終わり方なのでしょう。

※ かなり昔の演奏なので、今の私の演奏スタイルとは異なる上に音も間違っていますが、参考までに。

第二曲「サラバンド」

こちら第二曲サラバンドは「優雅な落ち着きと、ゆるやかさを持って」という指示がありますよ。
同じく4分の3拍子。
とっても緩やかに、穏やかに...

どちらかといえば、ピアノで奏でるというより、クラブサンのような、古典楽器を用いての演奏をイメージして弾くと良さそうですよ。

広い会場よりは、サロンで弾くイメージね。

右手で奏でられるメロディは、女性歌手。

まるでベルサイユ宮殿にいるような貴婦人のいでたちで、柔らかい声で歌っている。そんなイメージ。
決して、叫んだりはしない。

無理やり現代的に言うなら、
「銀河鉄道999」のテーマで(ゴダイゴじゃないほうの)女声コーラスがキレイに、邪魔にならないように、でも高く澄んだ声を綴っているような、そんなイメージ。

※ これまた私のかなり昔の演奏ですが、こんな曲...っていう参考までに。

第三曲「トッカータ」

こちら第三曲トッカータは、「活発に」という非常に短い指示(笑)。
4分の2拍子。

第一曲プレリュードと同様に、16分音符の細かな動きが、こちらでは第一曲に対して、もっと前面に出て訴えてきます。
と言っても、主張しまくっているわけではありません。

16分音符全体がサザナミのように「わ~っ」と押し寄せてきたり、去っていったり...
かと思えば、ざわざわと蠢く感じを隠しもしないのに、実はメロディは他にある...
といった、様々な動きを見せてくれるのです。

とても面白い曲ですよ。

※ 参考程度に。これまたかなり昔の演奏(三曲とも同じ時期の録画です)。

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