【ピアノ曲紹介】ドビュッシー「2つのアラベスク」
2018年は、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーの没後100年(1862−1918)。
ドビュッシーのことやドビュッシーが生み出した作品についてお話していきたいと思って発信していました。
その中から少し記事を練り直して、今日はドビュッシーの初期のピアノのための作品「2つのアラベスク」についてご紹介します。
Contents
ドビュッシーのピアノ曲「二つのアラベスク」について
「2つのアラベスク」(仏語:Deux Arabesques)はクロード・ドビュッシーの初期作品で、最も有名な作品の一つです。
1888年に作曲され(29歳の時のこと)、1891年に改訂されました。
出版は1891年。初演は1894年5月23日、パリにて(ただし、第二番のみ)。
どなたの初演なのかは不明。
「2つのアラベスク」は2曲から成ります。
2曲のアラベスクは、どちらもロマン派音楽に典型的な三部形式による小品。
ドビュッシーという作曲家は、「印象派」として捉えられています。
しかしこの初期の頃は、まだ「印象主義」的な作風ではありませんでした。
「アラベスク」とは?
「アラベスク」という言葉は、「アラビア風の」とか「アラビア模様の」という意味があります。
第一番は「アラビア模様」の絡み合う感じが現れていますね。
しかしこの「アラベスク」は、「アラビア模様の」という意味ではなく、バレエのポーズの一つの「アラベスク」だ、という説も。
でも私は「アラビア模様の」説を支持しています。
「アラビア模様」が絡み合っている感じからイメージしていくのが面白いから。
あなたはどちらの説を支持するでしょうか?
ドビュッシー「2つのアラベスク」第1番

流麗に絡み合っている感じが楽譜にも現れています。
出だしのアルペジオの受け渡しもそうですが、その後も、左手の8分音符の動きに右手で8分3連符が絡み合ってくる、まさにアラベスク。
なんだかとても優雅な感じがします。
ドビュッシー「2つのアラベスク」第2番

第2番は躍動感のあるリズムが特徴的です。
ヒョウヒョウとした感じ、シュールな感じが第1番と対照的。
だからこそ2曲合わせて弾くと、より楽しめますよ。
でも第1番も第2番も、それ単体で演奏される事が多い、1曲だけでも楽しめ味わいのある作品になっています。
ドビュッシーの「2つのアラベスク」自筆譜はパリにある
自筆譜は、パリ国立図書館に収められています。
パリを訪れて自筆譜を見てみたいですね。
そうは言ってもあまり簡単なことではありません。
でもね、ラッキーなことに自筆譜のファクシミリが販売されています。
輸入楽譜販売のアカデミア・ミュージックさんに在庫があれば、購入できますよ。
でもね、著作兼が切れている楽譜を取り扱っているIMSLPのウェブサイトでも見ることができます。
一応、出版されているものは「買う」をオススメしているので、IMSLPで見たい方は、ご自身で検索してくださいね。
ドビュッシー「2つのアラベスク」演奏動画紹介
僭越ながら私が演奏したものです。
ドビュッシー作曲「2つのアラベスク」第1番
ドビュッシー「2つのアラベスク」第2番
2018年の、オール・ドビュッシー・プログラムでの荒井千裕ピアノ・リサイタルから。
ピアノはスタインウェイ。
ドビュッシー「2つのアラベスク」オススメの楽譜
ドビュッシーの「2つのアラベスク」の楽譜は、フランスのデュラン社から2010年に出た新版がおすすめの一つです。
もう一つのオススメは、2009年にドイツのヘンレ社から出版された原典版です。
1年違いで発売された楽譜を見比べて見るのも面白いですよ。
ドビュッシーが残した言葉を紹介
最後に、ドビュッシーが残した言葉を一つご紹介します。
言葉で表現できなくなったとき、音楽が始まる。
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